お風呂をリフォームする際に、ただ新しくするだけでなく今よりも広くしたいという希望を持つ人は少なくありません。サイズを変えずにリフォームする場合と違い、お風呂のサイズを変えるとなると注意しなければならないことがいくつかあります。そもそも家によってはサイズ変更が難しい場合も。今回は、お風呂のサイズ変更リフォームに関する基礎情報をお伝えしていきます。
お風呂のサイズチェックが重要な理由
まず、お風呂を広くしたいと思う場合もそうでない場合も、現在使用しているお風呂のサイズを知ることが大切です。なぜなら、リフォームの際にはお風呂のサイズに合わせて商品を選んでいくからです。というのも、ユニットバスの入れ替えというシンプルな工事であってもサイズが合っていなければリフォームはできません。
お風呂のサイズは、浴室内の内寸を測ることでわかります。もしサイズ変更を希望するなら、まずは今使っている浴室のサイズを把握し、どのような方法でサイズを変更することが可能か整理していくことになります。劇的に広くしたいというほどではなく、少しゆとりを持たせたいという程度なら、お風呂の製品の選び方を工夫するだけで拡張工事を行わなくて済むケースもあります。
ユニットバスのサイズとは
ここ数年のお風呂リフォームでは、ユニットバスが選ばれることがほとんどですが、ユニットバスもサイズを把握しておくことが大切です。基本的には戸建ては1坪、マンションやアパートでは0.75坪といった広さのお風呂が多いです。ユニットバスのサイズは、4桁の数字で表記されています。例えば1坪サイズでは主に1616という規格。これは幅160cm×奥行き160cmという意味です。0.75坪では1216や1014といった規格が多いですが、これも同様に前2桁が浴室の幅、後ろ2桁が奥行きを表しています。
まずは、現在使用しているユニットバスの規格がどれに当てはまるか把握し、リフォームの際にはそのサイズに合ったものを選ぶことが基本となります。サイズ変更する場合も、スペースの拡張も含めお風呂として使える場所に収まるサイズのものを選ぶことが前提です。
お風呂をサイズ変更するメリット
お風呂のサイズを変えることは簡単ではありませんが、サイズ変更が叶った場合のメリットを考えると、大変でも踏み切る価値があるケースもあります。特に多いのが、自宅で介護をする場合のお風呂リフォーム。介護が必要な人にとっても介護をする側にとっても、狭いお風呂はストレスを感じやすく体勢を変えづらいなど危険でもあります。少しでもゆったりとしたお風呂である方が、無理なく入浴を済ませられるでしょう。
介護をすることがない家庭でも、お風呂は毎日の疲れを癒す場所ですので、狭いということで不満を抱えながら使うのではリラックスもできないですよね。快適性を重視するなら、思い切ってサイズ変更に踏み切るのも一つの方法です。
サイズ変更の方法
では、お風呂のサイズ変更にはどのような方法が考えられるでしょうか。まずは、単純にお風呂のスペースを拡張するというケースです。例えば脱衣所など隣接している部屋の広さを削り、お風呂に当てるというもの。次に考えられるのは、お風呂の場所自体をまるごと移動してしまうという方法です。ただ、水回りを移動させるとなると防水のための基礎工事や配管工事など、移動距離が延びるほど難しくなり費用もかかりますし工期も長くなるので慎重に判断しましょう。
劇的に広くしたいという場合でなければ、間取りを変更せずお風呂を広く使えるユニットバス製品を選ぶ方法もあります。デッドスペースをなくして現在のお風呂のスペースを最大限に使えるよう、サイズが細かく選べるユニットバスや、拡張モジュールによりお風呂を広く使えるよう工夫されたユニットバスがおすすめです。
サイズ変更の場合の工期と費用
お風呂のサイズ変更は、工事内容によって工期も費用も変わってきます。特に古いマンションでは、お風呂の外寸に対して小さめのユニットバスが設置されていたというケースもあります。この場合は、間取り変更などを行わずに外寸にぴったり合う最大限のユニットバスを選ぶというだけでお風呂を広く使えることになりますので、意外と割増料金がかからず工期も通常のユニットバス入れ替えと変わりません。
一方、戸建てなどで劇的にサイズを大きくするために家を増築するといったケースでは、お風呂のサイズ変更が目的であっても数百万円の費用と月単位の工期になることも。予算と工期も含め、どの方法でサイズ変更するかということはリフォーム会社とよく相談することをおすすめします。
サイズ変更の注意点
お風呂のサイズ変更には、事前に知っておきたいことが他にもあります。例えば、窓を大きくすることで開放的な空間にしたいという場合。確かに窓が大きくなればお風呂も広く感じますが、外から見えないような位置でなければなりません。間取り変更の場合は、お風呂の位置が変わったことで広くはなったけど使いづらいといった失敗例もあります。
また、マンションの場合は管理規約がありますし配管も他の家との共有部分が多いので、自由に間取り変更できるというわけにはいきません。リフォームの計画が進む前に、このようなことは把握しておく必要があります。無理のない範囲でのサイズ変更を考えましょう。
お風呂のサイズは広すぎてもダメ?
また、広いお風呂は確かに使いやすく快適なイメージがありますが、広ければいいというわけでもありません。特に、冬場などは広ければ広いほどお風呂が冷えるという問題があります。最近では、床の素材も工夫されていますので昔ほどひんやりと冷たくヒートショックを起こす心配も減ってはきています。
それでも、やはり浴室暖房は広ければ広いほど効きづらいですし、掃除も大変です。浴室だけでなく浴槽のサイズ変更を行う場合も、大きな浴槽はお湯が溜まるのにも時間がかかり、冷えるのは早く、水道代やガス代・電気代もかかります。結局、「ちょうどいい」サイズのお風呂であるということが一番大切なのです。
適切なサイズを知ろう
では、どのサイズが自分たちにとって適切なサイズなのでしょうか。それは、お風呂の使い方によって人それぞれです。大人と子どもが一緒に身体を洗える広さがいい、浴槽は足を伸ばしてゆったりと入れるサイズがいいなど、各家庭「ちょうどいい」サイズが自ずと見えてくるものです。
ユニットバスのメーカーのショールームに行けば、実際に浴室のサイズを体感することができます。浴槽に入ってみることも可能。大きさが同じであっても、形が違うことで広さも変わって見えたりするものです。お風呂リフォームを検討する際には、安易にサイズ変更が必要と決める前にまずは今のお風呂の問題点を整理し、製品の選び方でカバーできないか考えてみて下さい。
まとめ
狭いお風呂では疲れが取れないということは事実かもしれませんが、最近ではコンパクトな空間でもゆったりと広く感じられるよう工夫されたユニットバスが数多く発売されています。今使っているお風呂と製品を入れ替えるだけでも、サイズ変更をしなくてもゆとりが生まれる可能性はあります。サイズ変更を希望する場合も方法はいろいろありますので、リフォーム会社と相談しながら納得できるリフォームを行いましょう。