ピカピカのキッチンにリフォームできると思うと、気分も上がりますよね。キッチンは製品選びももちろん大切ですが、レイアウトもしっかりと考えておきましょう。レイアウトが変わるだけで、キッチンはぐんと使いやすくなるのです。今回は、キッチンのタイプ(型)に合わせたレイアウトのポイントをご説明します。これからキッチンをリフォームする方は参考にして下さい。
キッチンは型とレイアウトの組み合わせで決まる
システムキッチンには様々な型があることはご存知でしたか?一般的によく見られるⅠ型キッチンの他にも、Ⅱ型キッチンやL型キッチン、U型キッチンなどバリエーションがいろいろとあります。これらを上手に選んでレイアウトすることで、キッチンの空間が決まってきます。例えば現在主流の対面キッチンも、どのようなタイプを選ぶかによって使い勝手がかなり変わるのです。
型とレイアウトの組み合わせによって、家事動線やキッチンに立った時の眺めが変わるのはもちろん、他の場所からのキッチンの見え方まで変わってきます。そのため、使いやすさだけでなくキッチンという空間を家の中でどう見せたいかというインテリア性にこだわる方は特に、慎重にレイアウトを決めることをおすすめします。
ペニンシュラとアイランドの違い
リフォームで最も多く選ばれる対面キッチンにも、異なるレイアウトがあります。一つはキッチンの片側を壁につけるタイプで、ペニンシュラキッチンと呼ばれています。もう一つはキッチンの四方をオープンにしたタイプで、アイランドキッチンと呼ばれています。どちらも対面キッチンであることは共通しているのですが、それぞれ異なる特徴があります。
例えばペニンシュラの場合はキッチンの片側が壁についているため、動線が行き止まります。その分、限られた空間を有効に使えるというメリットもあります。一方アイランドの場合はキッチンの両側から出入りができるため動線がぶつかったり行き止まったりすることはありません。ただ、キッチンが場所を取るためほかの空間を圧迫するというデメリットがあります。
Ⅰ型キッチンとレイアウト
Ⅰ型キッチンのレイアウトの仕方は3パターン考えられます。対面のペニンシュラ、アイランド、そして昔ながらの壁付けのレイアウトです。Ⅰ型キッチンも最もシンプルなタイプのものと吊戸棚がついているものなど、選び方によって印象が変わってきます。シンプルなⅠ型キッチンならペニンシュラでも対面にするとかなり開放的ですので、作業しながら家族との対話を楽しんだり子どもの様子を見守ったりしやすいでしょう。
ただ、後ろにある食器棚など他のキッチン部分は丸見えになってしまいます。少し隠したいという場合は、吊戸棚つきのシステムキッチンを選ぶか、造作壁を設置してセミオープンタイプにすることをおすすめします。壁付のレイアウトは作業中家族の様子が見えないことからあまり選ばれなくなりましたが、作業に集中しやすくキッチン以外の空間が広く取れるというメリットもあります。
Ⅱ型キッチンとレイアウト
シンクもコンロも横一列のⅠ型キッチンに対し、シンクとコンロを2列に配置し作業スペースを広く取っているのがⅡ型キッチンです。こちらのレイアウトは必然的に片方は壁付、もう片方は対面となります。さらにキッチンの端を壁につけるか否かでペニンシュラとアイランドのレイアウトを選ぶことができます。
Ⅰ型キッチンは横長のためコンロとシンクの間を行き来する動線となりますが、Ⅱ型キッチンは振り返るだけですので移動がスムーズというメリットがあります。また、二人以上で作業するには非常に使いやすいタイプといえるでしょう。Ⅰ型キッチンと同様に、吊戸棚や造作壁を配置することでキッチンの見え方や雰囲気を変えることもできます。
L型キッチンとレイアウト
L型キッチンは、その名の通り上から見たときにLの文字のような形になっています。こちらもⅡ型キッチンのように作業スペースが広く取れるメリットがあります。ただ、Lの角の部分がデッドスペースになりがちで、実際には家電や調理器具などの置き場として活用されるケースが多いようです。壁付でレイアウトする場合は、勝手口や廊下との通路などを塞がないようにすることが大切です。
対面の場合のレイアウトはペニンシュラもアイランドも可能ですが、アイランドにする場合はかなり広いスペースが必要となります。ペニンシュラのレイアウトは、どのように壁につけるかによっても使い勝手が変わってきます。Lの短い辺にあたる部分を壁付けにすることもできますし、逆にオープンにすることもできます。オープンにする場合はキッチンの出入り口が確保できる間取りであることが条件となります。
U型キッチンとレイアウト
さらに大きなキッチンなのがU型です。作業スペースに加え、家電や調理器具を並べておくこともできるほどの広々としたスペースが得られます。ただし、キッチン自体がかなり大きいため、間取りに余裕がなければ難しいでしょう。U型キッチンを選ぶ場合は、レイアウトはかなり限られてきます。キッチンを配置する壁に沿って、壁付け部分と対面の部分ができるような状態になります。イメージとしては、Ⅱ型キッチンに作業スペースをさらに追加した形です。
U型キッチンはどの家庭でも配置できるものではありません。キッチンの中でどうしても一つの壁を完全に塞いでしまうことになりますので、勝手口のあるキッチンでは設置すらできないでしょう。生活の中で料理に力を入れている人向きの少数派なキッチン、もしくは二世帯住宅など大家族で共有するキッチンに選ばれるタイプになります。
キッチンのレイアウトはダイニングとの兼ね合いも重要
キッチンを移動させるようなリフォームを行う場合、注意したいのが他の空間との兼ね合いです。壁付から対面にレイアウトを変更する場合、リフォーム前と比べてダイニングスペースが狭く感じるようになることは避けられません。キッチンの空間を広く取り過ぎるとダイニングやリビングが圧迫されてしまうため注意が必要なのです。
また、間取りが変わるのは面積だけの問題ではありません。特にアイランドキッチンなどオープンタイプなキッチンは、調理中のニオイなどもダイレクトにダイニングやリビングに伝わる点が大きなデメリットです。料理のいい匂いだけでなく油臭さなども流れてきますので、気になる方は慎重に検討しましょう。
リフォーム前にしっかり検討を
キッチンのレイアウトが変わったことで使いやすくなり毎日の調理がより楽しくなったという声がよく聞かれます。製品自体の機能性が上がったことも含め、それまでのキッチンの使いづらさがリフォームによって解決されるのは望ましいことです。その一方で、キッチンのレイアウトを変えるリフォームは、同じ位置でただ入れ替えるだけのリフォームと比べて費用が高くなります。マンションの場合は管理規約に引っかかり、移動できないといったケースも珍しくありません。
思い通りのキッチンをリフォームで実現できるのが理想的ではありますが、それぞれのタイプやレイアウトのメリット・デメリットを踏まえて予算も考慮しながら後悔のないように選んで下さい。
まとめ
キッチンには様々な型とレイアウトの仕方があるため、組み合わせ方でかなりのバリエーションが生まれます。気に入った製品を気に入った位置に置くことで、使いやすく快適なキッチンになります。キッチンの周りの空間との兼ね合いも考えながら、納得できるキッチンにリフォームしましょう。