外壁の塗装を依頼するうえで、最初に行き当たる壁が塗料の種類の選択です。一般に連想される塗料として絵具があります。そういった絵具の油性や水性(強いて加えればアクリル)と違い、外壁塗装に用いる塗料は多数の種類があり、それぞれの外壁塗装の種類によって特徴も大きな差があります。そんな中いきなり外壁塗装の種類の選択を迫られて困惑される方や外壁塗装業者さんの言うがままに種類を選ぶことも少なくないはずです。今回この外壁塗装の種類についてその概要と特徴についてお話しします。
外壁塗装の種類にはどんなものがあるのか
外壁塗装の種類は沢山あるということを冒頭で触れましたが、具体的にどういった外壁塗装の種類があるのでしょうか。具体的な種類を外壁塗装に用いる塗料を挙げていくと、アクリル、ウレタンなど何となく聞いたことのあるものから、ラジカル制御形、フッ素、光触媒、無機塗料などがあります。これらは外壁塗装の塗料の種類としての特徴や耐久性などが異なり、外壁塗装として塗った際の質感も種類によって変わってくるのです。
また、選択する外壁塗装用塗料の種類によって単価も異なります。一番安いものから高いもので3倍以上の価格差があり、予算との兼ね合いも考えなければいけません。さらに考える必要があるのは耐久年数です。百万円以上の出費を伴うこともある外壁塗装がたった数年でボロボロにはがれてくるのは、とてももったいないです。そう言った点も考慮する必要がありますから今挙げた塗料の特徴を知って最適な選択を行う必要があるのです。
外壁塗装の種類1:アクリル&ウレタン
まず最初に紹介するのがアクリル&ウレタンです。これらの種類の一番の特徴が価格が安いことが特徴のため、以前までは頻繁に外壁塗装に使われた時代がありました。ウレタンに関しては一昔前まで外壁塗装の種類の中で主流であったこともあります。、現在ではこの二つの種類の塗料を外壁塗装使うことは、まずありません。その一番の理由としては、外壁の塗装として耐久年数が非常に短い種類であることが挙げられます。銘柄の種類にもよりますが、ほとんどのアクリル塗料やウレタン塗料は5年程度で耐久性を失い、非常に短い間隔で外壁塗装の塗り直しを余儀なくされます。そう言った理由でかえって不経済な塗料となり、主流から外れているのです。
また、同価格帯で耐久性の高い種類の塗料(後述)も登場したため外壁塗装用塗料として顧みなくなった存在となっています。そう言った経緯もあって、この二つは外壁塗料としてまず使うことはありません。
外壁塗装の種類2:シリコン
アクリルやウレタンなどの種類に変わって現在外壁塗装の主流となっているのが、シリコン塗料になります。この外壁塗装用塗料の主原料となっているシリコンとはケイ素(安定した結晶構造を持つ物質で半導体など様々な分野で利用されている種類の成分)をベースにした無機化合物のことです。この安定した性質は高い耐久性となっており、塗替えの7~8割を占めています。外壁塗装用塗料として値段の割に高い耐久性を持っているため人気がある種類ですが、「単層弾性塗料」と呼ばれる種類のシリコン系の塗料は耐久性が低く、悪質な外壁塗装業者が利用する場合も少なくないため注意が必要な塗料となります。
非常に多くの場面で使われる塗料で外壁塗装業者の多くが手掛ける種類の塗料でもあるのですが、こういった耐久力に劣る塗料をシリコン塗料と称して使用する業者もいるため、内容をチェックする必要がある塗料です。
外壁塗装の種類3:ラジカル制御形
ラジカル制御形は近年注目を集めている外壁塗装用塗料の種類です。ラジカル塗料とも呼ばれています。このラジカルとは過激派や根っこ、発生方法の一つなど様々な意味を持つ言葉ですが、外壁塗装用塗料の分野では塗料の劣化を招く種類の物質のことです。つまりラジカル制御形塗料とは、この劣化を招く物質の発生を抑える効果のある外壁塗装用塗料として販売されている種類です。
このような効果の他にも耐用年数が長いことや美しいツヤが出ること、雨ダレや藻、かびなど美観を損ねるものを防ぐことといった効果があります。やや踏み込んだ内容となりますが、この外壁塗装用塗料の仕組みとして従来の塗料に含まれている酸化チタン(劣化の原因になるものの一つ)を高対候酸化チタンというラジカルを閉じ込める物質を抑える成分に置き換えているため、高耐久の種類として用いられています。まだ外壁の塗装の実績が少ないため未知数な部分もありますがコストパフォーマンスに優れ今後主流となる可能性を秘めた塗料の種類です。
外壁塗装の種類4:フッ素
外壁塗装用塗料の現在の主流となっているシリコン塗料のグレードアップ版の種類がフッ素塗料です。一番の特徴は耐久性の高さとなっておりシリコンの倍以上の耐久年数を持つと言われている外壁塗装用塗料の種類です。この特徴のため外壁のメンテナンス塗装の回数を減らすことができ、汚れやカビ、藻の発生を抑える効果が期待できる種類という利点があります。
ただ、欠点もあります。塗料の種類としての価格の高さと外壁塗装業者の技術力や場所によって想定していた期間よりも耐用年数が短くなるという点です。価格はシリコンの倍以上の金額がかかる場合もあり、コストパフォーマンスが良いとは決して言えません。、塗装にも技術が必要なため未熟な業者が施工すると期待する期間の外壁塗装が持たない点、屋根などに塗布すると劣化が早い点などが挙げられるため一般家庭の家屋であまり利用されていない種類というのが現状です。
外壁塗装の種類5:光触媒や無機塗料
最後に紹介する2つ塗料はいずれも外壁塗装用塗料の種類として強い特徴を持っています。まず光触媒は自然環境に良いという特徴を持ちます。通常、外壁塗装用塗料は化学的な物質を用いて合成することが多いため、決して環境に良い種類とは言えませんでした。しかし、この光触媒はあたかも樹木のように空気清浄効果を持っているのです。従来の常識を覆すような種類の外壁塗装用塗料が光触媒です。無機塗料は、現在最強の耐用年数を持つ外壁塗装用塗料の種類と言われています。
石材やレンガ、ガラスなどを含まない種類の物質を配合した外壁塗装用塗料で、基本的に無機物自体は半永久的に耐久するため(この塗料自体は無機物以外の含有物質で多少劣化する)、非常に長い耐用年数を持ちます。これらの外壁塗装用塗料は、価格の高さや塗りにくさなどの弱点を抱えているため普及している種類ではありませんが、今後更なる改善によって主流となり得る塗料と言われています。
まとめ
一言に外壁塗装用塗料といっても非常に様々な種類があり、特徴もそれぞれです。外壁の塗装の種類として良い点もあれば悪い点もあるため、それらを知ったうえで外壁塗装業者さんと種類を選ぶ話をすることによって、お互いにより良い種類の塗料を選択し外壁塗装工事ができるのではないでしょうか。
まずは外壁塗装用塗料の主流となっているシリコン塗料やラジカル制御形塗料の種類を十分知っていただき、予算によってそれ以外の塗料についても調べて見ることをお勧めします。きっと意外な発見があるかもしれません。