家族の介護に備えて、より暮らしやすくするために自宅のリフォームを考えている人にとって、気がかりなのはその費用ではないでしょうか。介護のためのリフォームには補助金が出るということは何となく聞いたことがあるけれど、具体的な内容についてはよくわからないという人もいますよね。今回は、介護リフォームの際に受けられる補助金給付制度についてご説明します。
介護リフォームには補助金が受けられる
介護のためにリフォームを行う際には、少しでも費用を抑えたいもの。リフォームに伴う費用だけでなく、介護には何かとお金がかかるため、費用を抑えるための工夫は最大限に行いましょう。そこで、ぜひ活用したいのが補助金です。介護リフォームでは、介護保険制度により支給される住宅改修費(補助金)と、自治体から支給される補助金の二種類を使える可能性があります。いずれも、その内容と申請方法は異なる別のものです。
まずは介護リフォームを行う場合に、この二種類の補助金が支給されるかもしれないということを覚えておきましょう。介護保険制度により支給される補助金は全国共通のものですが、各自治体による補助金はお住いの地域によって差があります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
介護保険制度の給付金とは
まずは介護保険制度による補助金についてご説明します。こちらは、平成12年から施行されている介護保険制度により、40歳以上が納める介護保険料を財源に支給されるものです。様々な介護保険サービスの一つである住宅改修費というものが、いわゆる介護リフォームの補助金に該当します。
補助金の額は、一人当たり最大18万円となり、介護認定のレベルには関係なく一律となります。ただし、転居した場合や介護認定レベルが3段階以上重くなった場合には、本来は生涯最大18万円のものが、再度設定されます。補助金を受けるためには条件があり、「要介護もしくは要支援認定を受けていること」「福祉施設への入所もしくは病院への入院をしていないこと」「リフォームする住宅が被保険者の住所と一致し本人が居住していること」の3つをクリアしていなければなりません。
各自治体によって異なる補助金制度
次に、お住いの地域を管轄する自治体から支給される補助金についてご説明します。こちらは、自治体によって差があるということを先ほどもお伝えしました。介護保険制度の一人当たり生涯最大18万円という金額に近い場合もあれば、それよりも低い、もしくは高額であるなど、全く独自の内容の場合もあります。そのため、各自治体の補助金制度に関して確実に知るためにはお住いの地域の自治体のHPをチェックしたり、直接窓口で確認するといいでしょう。
参考までに、大阪市の場合は介護保険段階により支給額が異なり、1~4は工事費のうち30万円、5・6は工事費のうち5万円と、同じ自治体でも差があります。また横浜市は上限100万円のうち必要性を確認できた金額を支給、その額は生計中心者の前年度所得額によるとされています。
補助金を受けるための注意点
介護リフォームの補助金は、誰でも受けられるものではなく、条件があることはお伝えしました。それは介護保険制度の補助金だけでなく、各自治体の補助金も同様です。基準は自治体ごとに異なるため内容と併せて直接確認して下さい。また、介護のためのリフォームならどんなものでも補助金を受けられるわけではないということにも注意が必要です。
介護保険制度では、「手すりの取り付け」「段差の解消」「滑り防止及び移動の円滑化のための床材変更」「扉の取り換え」「洋式便器等への便器の取り換え」「介護リフォームに付帯して必要な工事」の6つの内容に関して支給されます。いずれも介護が目的であり、古くなったから新しくするという目的の場合は適用されません。補助金を受けるためには、条件とリフォーム内容が支給対象になるか、必ず事前に確認するようにしましょう。
補助金を受けるための手続き
補助金を受けるためには、自分から申請しなければなりません。その手続きの流れや注意点も押さえておきましょう。介護保険制度による補助金を受ける際には、着工前と工事終了後の二回申請が必要です。介護認定を受けたら、リフォームの内容に関してケアマネージャーに相談しながら決めていきます。その後リフォーム業者と契約し、事前申請として書類の一部を提出します。こちらは、ケアマネージャーが作成した住宅改修理由書やリフォーム業者が作成した図面や見積もり書など、介護リフォームを行うということが証明できる内容となります。
この事前申請が審査され、通ったら着工となります。リフォーム費は一旦全額自己負担したのち、再度工事終了後に領収書や工事費内訳書などの書類を提出します。そこまで終わって補助金がようやく受けられるという流れとなっています。
まとめ
介護リフォームで受けられる補助金は条件や支給対象工事が決まっていること、手続きや必要書類の準備が簡単ではないことがわかりました。でも、そのぶん費用を抑えることができますので、多少面倒ではあってもぜひ活用したいですね。確実に補助金を受けて介護リフォームするためにも、ケアマネージャーと相談しながら進めていくのが賢明と言えるでしょう。