長年自宅に住んでいると、必ず起こりうるのが外壁の色あせです。しかし、この外壁の色あせもきちんと原因を把握し、外壁塗装の時に適切な予防策を講じることによって外壁の色あせをある程度抑えることができます。せっかく住むのですから、自宅の外壁の色あせとはなるべく縁遠い存在でいたいという方は多いはずです。今回この外壁の色あせをテーマにどんなものなのか、おすすめの色は何なのか外壁の色あせに有効な塗料は何なのかと言ったものを紹介していきます。
外壁の色あせってどんなもの?詳しく内容を解説
外壁の色あせはどんなものでしょうか。実際に外壁の色あせについて知らないと、気づいたら色あせが進行し深刻な外壁のコンディションになっていてもおかしくありません。そういった意味で外壁の色あせについて詳しくお話ししていきます。
色あせは褪色とも呼ばれます。これは外壁に限ったことではなく、様々なものに起こりうる現象です。外壁に限らず車やカーテンと言った日常的に日光を浴びるものに起こりやすく、具体的には色がさめてしまった状態、つまり濃い色が色あせによって白く薄くなった状態です。外壁における色あせとは家全体が白みがかって本来の濃い外壁の色とはかけ離れてしまった状態と言えます。
外壁の色あせは何が引き金でおこるの?原因を紹介
外壁の色あせは原因もなしに起こるということはありません。ここでは外壁の色あせの引き金となる原因を紹介し、その外壁の色あせの対策を考えるための重要な要素についてお話しします。
外壁が変色する原因は顔料の色素結合が切れた状態になる、化学変化による物質が変化すると言った2つが挙げられます。1つ目は色素結合が紫外線によって破壊され、切断されることで色味が変わるのです。顔料の原子同士のつながりが壊れた状態になって外壁の色あせの原因になるというものになります。2つ目の化学変化による原因は、太陽熱や住宅から出る熱などによって顔料に化学変化が起こり、それが外壁の色あせの原因になるというものです。このように内外からやってくる様々なストレスが原因で外壁の色あせは進みます。
外壁の色あせから建物の劣化具合を見よう
外壁の色あせは住宅などの健康状態を知る指標にもなります。なぜなら外壁そのものの劣化の前に早く外壁の色あせはやってくるからです。最後に外壁の色あせそのものから建物の健康状態を知る手段をお話しします。
外壁の色あせそのものから建物の健康状態を知る手段は代表的なものがチョーキング現象です。これは外壁の塗料が劣化し白い粉のようなものが浮き出た状態でチョークの粉のようなものを触れられる状態です。これは色あせが進行し外壁にもある程度劣化が進んでいる徴候です。また初期段階では光沢がなくなると言ったものも外壁の劣化を見るサインです。これを放置するとひび割れや塗料の剥離と言った症状が出てきます。このように色あせは外壁の劣化の初期症状なので、早めに対策を講じるのがおすすめです。
外壁の色あせの対策には何が有効?
外壁の色あせの原因を知っていただけたら、今度はその対策です。原因がある程度わかれば外壁の色あせもどのように対応すればいいか理解しやすいのではないでしょうか。
ただ、外壁の色あせはどんなに優秀な外壁塗料を用いても回避することができません。そのため現実的には色あせを遅らせる対策になってくるのです。その対策は色あせしやすい(目立つ)色を避けて、色あせしにくい(目立たない)色を外壁に使うというものです。その他にもコート材を吹き付けたり、塗料を無機質の成分を多く含む無機塗料など耐久性の高い塗料にすると言った選択肢もありますが、最も手軽な対策として外壁の色あせしにくい色を選ぶという選択肢を挙げることができます。ではどのような色が良いのでしょうか。次の項目で具体的な色についてお話ししていきます。
外壁の色あせが目立たないカラーは?おすすめのカラー紹介
車にも汚れが目立たない色があるように外壁の色あせにもそういった目立たないカラーというものが存在します。ここでは外壁の色あせが目立たないおすすめのカラーについて紹介していきます。
色あせが目立たない、しにくい外壁のカラーは白、黒、青です。基本的に地味であったり寒色系の色は外壁の色あせが目立ちにくいメリットがあります。白の外壁塗料の顔料は無機顔料を多く使用しているので色あせ以外にも劣化自体もしにくいというメリットがあります。
黒は顔料のカーボンブラックが色あせしにくい成分であるのと汚れなどが目立ちにくいです。青は耐光性に優れた顔料を使用しているため外壁の色あせがしにくい、目立たないと言われています。このようにこれらの色は色素の分解や化学変化がしにくかったり、色あせしても分かりにくいという特徴があります。
おすすめ出来ない!外壁の色あせが目立ってしまう色は?
新築の頃はきれいでよかった色の選択もその選択を誤ることで本来よりもはやく外壁の色あせが目立ってきてしまうものもあります。自宅を新築する前にそういった外壁の色あせしやすいカラーは何なのか知る必要があります。
色あせしやすい色は赤、黄、紫です。赤は外壁塗料に用いられる顔料に耐光性が乏しいというデメリットを抱えており、色あせが目立ちやすい色です。ちなみに赤い建物の代表である赤白の背の高い煙突やタワーなどは色あせが目立つため頻繁に再塗装を行っています。黄色は外壁に使われる顔料が紫外線に弱く色あせが早く、しかも汚れも目立ちやすいので色あせしやすいです。紫は赤と青のバランスによって変化します。青に限りなく近い紫であれば目立ちにくいのですが、赤寄りの紫だと外壁でも赤同様色あせが目立ちやすく劣化も早い色です。
外壁に有効?色あせを防ぐ塗料とは
色によって外壁の色あせを予防するというほかに根本から外壁の色あせの対策となるものとして外壁塗料そのものを色あせに強い製品にしてしまうという対策もあります。外壁の色あせに強い塗料を紹介していきます。
その塗料はラジカル制御型やフッ素などの外壁塗料です。ラジカル制御型は酸化チタンを使用した塗料で、塗料の耐候性を向上させる機能を外壁塗料に与えたものです。これにより塗料自体の劣化が遅くなり、結果として外壁の色あせも抑えることができるのです。
ただ、原色の場合は効果が出にくいという弱点があり、真っ赤であったり、完全な黄色だったりする場合は色あせ対策になりにくいです。フッ素は高い耐久性と汚れにも強い特徴を持った塗料です。耐久性の高さによって色あせもしにくいという特徴があります。ただ、艶がどうしても出てしまうので、最初はピカピカでも徐々に光沢がなくなり、色あせは少ないものの雰囲気が変わっていくという弱点があります。
外壁の材質も重要?色あせしにくい材質とは
外壁の色あせ、塗料以上に根本的なものベースとなるものに外壁そのものまで考えるという手段があります。外壁材によっては色あせに強いもの色あせに弱いものがあるので、それらについてもお話しします。
色あせに敷く材質はタイルやサイディングでしかもセルフクリーニング機能のついた外壁材です。タイル自体劣化しにくい材質なのでそれについている塗料も色あせしにくいです。陶器の絵柄が色あせしにくいのに近い理由です。サイディングは金属の外壁です。こちらは汚れがつきにくい材質なので、汚れなどによる化学変化を避けることが期待できます。更にそれらにセルフクリーニングの作用が与えられていれば(多くの場合最初から塗布されている外壁塗料にその機能がついている)、色あせがさらにしにくい外壁となります。
まとめ
外壁の色あせは気づかないうちに進行していきます。そして気づいたころには深刻なダメージを建物に与えていることも少なくありません。そういった外壁の色あせですが、色を選んだり、材質を選んだり、あるいは外壁塗料そのものをこだわったりして対策することも可能です。ただ、外壁の色あせは必ずしも悪いものではなく、建物全体の劣化を知る指標ともなるため、こまめに外壁の色あせをチェックし建物の寿命を延ばすのも大切です。色あせから建物との上手な付き合い方を知ることでより良いマイホームライフを実現できるのではないでしょうか。