地球温暖化の問題が深刻となっていますが、私たちの生活における二酸化炭素の排出量が増えていることが大きな原因といわれています。二酸化炭素は、電気やガスなどのエネルギーを使うことで発生するため、少しでも抑えるには省エネリフォームが有効です。今回は、省エネリフォームの内容やメリット、注意点などを解説していきます。
省エネリフォームとは
エネルギーの消費をできるだけ抑えるために行う住宅の省エネリフォームには様々な方法があります。室内を夏は涼しく冬は温かく保つために、断熱材や内窓を用いる断熱リフォームをはじめ、自然のエネルギーを有効活用するための太陽光発電装置の設置やエコキュートなど高効率な給湯装備の導入などが代表的です。他にも、節水性の高いトイレへのリフォームや保温性の高いお風呂へのリフォームも省エネリフォームの一部といえるでしょう。
省エネリフォームを行うことで光熱費が抑えられたり快適性がアップするなど住人にもメリットがありますが、冒頭でお伝えしたとおり二酸化炭素の排出量を削減できるという大きなメリットがあることから、国によって推奨されているのです。省エネリフォームの具体的な内容を見ていきましょう。
断熱・気密リフォームや内窓設置
住宅に断熱材を入れることで、外気温に左右されることなく室内を年中適温に保つ効果を期待されるのが断熱リフォームです。壁や床、天井、屋根など様々な部分に断熱材が入れられます。また、ドアや窓を断熱効果の高い製品に入れ替えたり内窓を設置したりする工事も断熱リフォームに含まれます。
高断熱な家は、同時に気密性も高くなっていることも多いのですが、気密リフォームを行うことでより住宅を密閉する効果が生まれます。空気が通りにくくなることで室内の温度が外に逃げたり外からの冷気が入ってくることを防ぎ、冬場は室内が温かくなります。ただし、換気をしなければ結露が発生しやすくカビなどの原因にもなりますので注意が必要です。換気システムを整えたり、通湿性のある建材を利用したりすることが大切です。
太陽光発電装置の設置
太陽の光エネルギーを有効活用することで、二酸化炭素を発生させずに発電することができます。住宅の屋根にソーラーパネルを設置し、集まった太陽光が電気エネルギーとなり、交流電流に変換されることで生活で使える電力となるのです。光熱費を削減できることはもちろん、使いきらなかった余剰電力は電力会社が買い取ってくれるので無駄がありません。また、災害時などで停電が起こった場合でも電気を確保できるのが安心という声も多いです。
ただし余剰電力の買取に関しては、2019年に各社の買取価格が大幅に下がったこともあります。そのためこれからソーラーパネルの導入を行う場合はあくまで自家消費を目的とした設置となりますが、メリットの多い省エネリフォームであることに変わりはないでしょう。
エコキュートの導入
太陽光発電装置と合わせて導入することでより効果的といわれているのがエコキュートです。エコキュートとは電気給湯器の一種ですが、従来のものと異なり二酸化炭素を冷媒として使用しています。二酸化炭素を有効活用し効率よくお湯を沸かせるので、省エネになるうえ二酸化炭素の排出量も抑えられるというメリットがあり人気を集めています。
エコキュートを導入すると、電気エネルギーのみで給湯する場合と比べて電力消費量を1/3に抑えることができるといわれています。さらに、エコキュートは電力消費の少ない夜間にお湯を沸かすシステムのため、給湯コストもかなり削減できるのです。太陽光発電で生まれた電力を使いエコキュートで給湯すれば、省エネしながら快適に生活することができそうですね。
節水トイレへのリフォーム
断熱材や太陽光発電、エコキュートなどは省エネリフォームの代表的な製品として有名ですが、細かいリフォームに関しても省エネ効果のあるものはたくさんあります。特にトイレをリフォームする際に節水性の高い製品を選ぶのがおすすめです。トイレの耐用年数は一般的に10～15年ですが、例えば10年前のトイレと比べて現在販売されているトイレ商品はどれも節水効果がより高くなっているはずです。
中でもタンクレストイレは特に節水性の高さで人気ですが、リフォーム費がやや高いというデメリットがあります。タンク付きトイレを選んだ場合でも、水流に工夫がされているなど従来のものよりも節水性は期待できるはずです。水も大切な資源ですので、無駄のない使い方ができる節水トイレへのリフォームもぜひ考えてみて下さい。
遮熱塗料など省エネ効果のある塗料の使用
断熱材を入れるリフォームは大規模になりますし費用も工期も膨らむため難しいという方も少なくないでしょう。そこでおすすめなのが、遮熱塗料の使用です。外壁や屋根の塗装を行うタイミングで、遮熱効果のある塗料を用いるだけで省エネ効果を得られます。塗装は家を水や紫外線から守る重要なものですので、外壁や屋根の肌が傷まないうちに早めにリフォームしましょう。
遮熱塗料にも様々な種類があり、効果の程度も物によって違いますので比較して選ぶことをおすすめします。断熱性だけでなく耐久性の高い塗料を選べばリフォームのトータルコストを下げることも可能です。断熱材の入った家で遮熱塗料を使用すれば、かなりの断熱効果を期待できるでしょう。
省エネリフォームは補助金制度をチェック
これまでご紹介してきた省エネリフォームの中には、補助金制度を活用できるものもあります。特にエコキュートの導入や断熱材の使用などは初期費用がかかりますので、その一部でも補助してもらえたら家計も助かりますよね。補助金に加え、次世代住宅ポイント制度などの支援策もありますので、省エネリフォームを行う前には補助の対象となるかチェックしてから行うといいでしょう。
なぜなら、申請は工事前に行う必要がある場合も多いからです。知らずにリフォームを済ませてしまうと該当するリフォームであっても対象外となってしまうので気を付けましょう。国だけでなく各自治体による補助金制度もありますので、どんな省エネリフォームが補助の対象となるのか事前にチェックしておくことが重要です。
リフォームを機に暮らしも省エネに
省エネリフォームを行うと、できるだけエネルギーを節約するような意識が身につく、もしくはもともと意識して暮らしてきたという方が多いのではないでしょうか。ただ、中には省エネリフォームしたから電気使い放題と考える方もいます。省エネは、リフォームだけでなく普段の暮らしからも心がけることができます。
電気のつけっぱなしや水の出しっぱなしなど、日頃の生活の中でも無駄がないか気を付けて過ごすことも省エネにつながります。あまり気にし過ぎてストレスになるのはよくありませんが、限りあるエネルギーを有効に使いながら快適に暮らすことは大切です。せっかく省エネリフォームを行うなら、家族みんなで省エネな暮らしを楽しめるといいですね。
まとめ
限りある資源を無駄なく使うことと二酸化炭素の排出量を抑えることはますます求められるようになるでしょう。省エネリフォームが普及すれば地球温暖化を少しでも食い止めるために役立つと言われています。補助金制度もあり、結果的に家計の節約にもなる省エネリフォームはメリットも大きいです。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょう。
