日本は地震が多い国であることはほとんどの方が実感されていると思います。しかし具体的に建物をどう耐震補強すればいいのか分からない場合がほとんどです。そういった疑問に対して外壁の張り替えによる耐震補強によって、地震に備えるという例を挙げ、今回外壁張り替えによる耐震効果についてお話していきます。これを読めば外壁の張り替えがいかに耐震にたいして有効であるか知ることができますし、こういった外壁張り替えの耐震補強でどのようなことを注意すればいいのかを具体的に考えられるようになります。外壁の張り替えを知ってメリットの多い条件で依頼しましょう。
住みながら耐震工事!外壁の張り替え工事とは?
耐震を考慮した外壁の張り替えは大規模なリフォームです。一見そのような外壁を丸ごと張り替えて、しかも耐震補強を伴うリフォームを行うとしばらくの間住むことができないと考える方も少なくありません。しかし、この耐震工事を兼ねた外壁張り替え工事は住みながら施工を受けられるものもあるのです。
具体的な施工方法を簡単にお話しすると、外壁を張り替えるために古いものをはがした後、耐震面材を外壁全体に速やかに張り替え、一時的な外壁にしていきます。その上に外壁材を張ることで張り替えによって外壁に耐震機能を与えるというものです。室内が完全な野ざらしになったりビニールで覆われた一時的な外壁に比べ耐震面材は十分な強度があり、速やかに張り替えることで日常生活も支障なく住みながら耐震工事も兼ねた外壁張り替えを受けられます。
住宅の耐震の必要性は年々増えている~外壁張り替えの必要性も~
住宅に対する耐震の必要性は年々増えていると言っても過言ではありません。東日本大震災以降、熊本地震をはじめ、いつ起こるか分からない東南海地震や各地の地震に対して注目が高まっているからです。
耐震工事というと柱の入れ替えなどの工事もありますが、非常に手間がかかり、耐震補強の費用も建て替えほどではないにせよそれに迫る高額なものになります。それに工期も長いです。そんな時効果的な、そして耐震工事の選択肢として有力なものが外壁の張り替えです。外壁の張り替えは耐震工事としては手軽なもので、しかも工期や費用も安い場合が多いという特徴があります。そういった意味で耐震工事としておすすめできるのが外壁の張り替えです。
老朽化した家屋が増え、張り替えの必要な弱った外壁を多く抱えている日本では張り替えによる地震対策は必要性が非常に高いと言えます。
耐震に優れた外壁に張り替えよう!どんな外壁材が最適か
外壁の張り替えによる耐震補強は重要です。しかし実際に外壁を張り替える場合どんなものがあるでしょうか。主に外壁の張り替えとして用いられるものに金属と窯業系のものがあり、それらについて紹介していきます。
基本的に耐震を強化したい場合は金属の外壁材への張り替えがおすすめです。キズがつきやすい、サビが発生しやすいというデメリットがありますが、金属の外壁に張り替えることで強度だけでなく軽量なので建物にかかる負荷は軽いという耐震性に必要なメリットがあります。
このように金属の外壁材は耐震にメリットがありますが、レンガなどをベースにした窯業系の外壁材は火事に強い特徴から地震後の火事に対応できるという点で必ずしも耐震性に劣るだけというわけではありません。ただ、老朽化している家屋のリフォームには耐震性そのものを重視した金属の外壁材が最適です。
外壁張り替えによってなぜ耐震性が増すのか?
外壁張り替えによって耐震性が増すのは何となくイメージできるかもしれません。ただ、なぜ外壁を張り替えることで耐震性が増すのかと言った疑問もあります。
その答えとして外壁も柱同様、屋根や上階を支えているということです。耐震は多くの場合柱の強化をすることによって揺れに対応し、しかも建物を支えるという効果を期待します。これが耐震工事の考え方です。しかし柱以外にも外壁も同様の作用があるのです。つまり外壁の張り替えによって柱を強化し耐震性を高めたのと同様の効果を期待することができるのです。柱を交換するような感覚で外壁の張り替えが可能となります。張り替えは柱の交換や補強よりも日常生活への影響が少なく、コストが安いなどメリットも多いので耐震補強を考える場合、十分検討に値します。
外壁の張り替えによって耐震性が増していく流れを紹介!
ここでは外壁の張り替えの流れをお話しし、同時に耐震性が増すということを紹介していきます。大まかにお話しすると外壁除去、筋かい(外壁内部を補強する建材)の補修や耐震化、耐震性のある建材の追加、新しい外壁へ張り替えと言った流れです。
一つずつお話しすると外壁張り替えを行うために古い外壁を除去していきます。強度が一時的に落ちたり日常生活に支障が出る恐れがあるので慎重に行います。次に筋交いを張り替え前に耐震補強したり、追加します。そして耐震性のある耐力壁や建材を追加していきます。そして耐震性の高い新しい外壁をその上に張り付けて固定します。これで耐震強化もかねた外壁の張り替えが完了します。機能の向上だけでなく美観も非常によくなりますから施工するメリットも多いです。
外壁張り替えの注意点!間違ったメンテナンスが耐震性を失う?
外壁張り替えは柱の交換による耐震工事よりは比較的行いやすいものですが、耐震を目的とした外壁張り替えは比較的大規模なリフォームのため注意点もあります。
それは場合によって外壁の張り替えの他に耐震のため建物の基礎も見直す必要があるということです。いくら外壁を強靭なものにしても基礎が石を並べただけのものであったり、家屋と基礎が接続されていないものであれば耐震のための外壁の張り替えをいくら行っても十分な効果が得られません。そのため単に外壁の張り替えリフォームだけならそれでもいいのですが、もし耐震補強も目的としているのであればきちんと基礎部分も見てもらい、必要に応じて基礎部分の耐震補強工事もあわせて行う必要があります。このように耐震化を狙った場合、基礎のリフォームのための出費や工期が余計にかかるという点で注意が必要です。
外壁の張り替えによって耐震性が増すメリットとは
外壁の張り替えによって耐震性が増すメリットは文字通り耐震強化ができることと、他の耐震補強よりも低コストでできること、外壁の張り替えになるので美観が飛躍的に改善することなどが挙げられます。
外壁張り替えは元々の外壁を撤去し耐震性のある素材を加え、更に軽量で丈夫な外壁で補強するリフォームです。そのため今までよりも耐震性が高まるというメリットがあります。また耐震補強にしては比較的低コストで行えるメリットがあり、柱の交換や基礎のリフォームと言った工事よりも安く行え、住みながらできるため引っ越しのコストもかかりません。
また新しい外壁に張り替えるので美観も改善され、家によっては新築のような風合いを出すことができます。このように外壁張り替えはメリットも多いのです。
逆もあり?耐震性が増す外壁の張り替えによるデメリットとは
残念ながら、耐震性を得る目的で行う外壁張り替えにもデメリットがあります。それは外壁張り替えを行っても十分な耐震性を得られない可能性があるということです。
最大のメリットである耐震性の強化ですが、外壁の張り替えを行っても効果が薄い場合があります。上記でもお話しましたが、それは柱や基礎の状態が著しく悪い場合です。いくら外壁を張り替え、耐震性のあるものにしてもそれ以外の建材に問題を抱えていると十分な耐震性能を発揮できないことがあります。そのため外壁張り替えで耐震性を本格的に強化したいと考えている場合は念のため柱や基礎の状態も調査してもらうことが望ましいと言えます。ただ、ある程度柱や基礎のコンディションが良ければ、耐震性を高めるための外壁張り替えのメリットは十分得られると言えます。
まとめ
外壁張り替えによって耐震性を向上させることは十分可能です。外壁に耐震性のある材料を張り替えに使うことでそれは達成されます。その上コストも安く、外観も良くなるメリットもあり、耐震以外にも外壁の張り替えは十分魅力的なリフォームです。ただ、基礎や柱などが耐震に問題がある場合、外壁の張り替え以外にも措置を講ずる必要があるため、耐震を得るために外壁の張り替えを検討している場合はそれらのチェックを受けることも大切です。