リフォームすることを前提にあえて中古マンションを購入する人が増えています。古いマンションでも、大規模なリフォームをすることで新築同様の部屋を手に入れることができます。間取りをどう変更するか、より暮らしやすい空間を作るにはどうすればいいか、アイデア次第で理想の住まいに変身させましょう。マンションのリフォームで押さえておきたいポイントをご紹介します。
マンションリフォームのメリット
中古マンションをリフォームするメリットとしては、リフォーム費と物件購入費を合わせても新築購入よりも費用を抑えることができるという点がまず挙げられます。マンションの外観を自分で変えることはもちろんできませんが、内装や間取りに関しては所有している物件であればある程度好きなように変更することができます。
自由に変更できる部分とそうでない部分があるのがマンションの特徴ですが、すべての管理を任される一戸建てと比較すると専有部分のメンテナンスのみに力を入れればいいという点もメリットでしょう。マンションだと縛りがいろいろあるというイメージが持たれがちですが、専有部分に関しては意外とアイデアを生かしてリフォームできますので、ガラッと雰囲気を変えることも可能です。
快適性アップには動線を考慮して
リフォームを考えた時に、どうしても完成した時の見栄えやデザインを重視しがちになります。でも本当に快適な住まいにするためには、見た目がいいことよりも暮らしやすさ・使いやすさに力を入れていることが大切。そのためには、暮らす人の家事動線を意識してリフォームするといいでしょう。家族の動線がぶつかりやすい場所では出入り口を二か所にする・通路を広げるなど工夫できないか考えてみましょう。
それまでの住まいで不便だった部分をピックアップしておくことも、アイデアに繋がる材料になります。古いマンションの場合、動線が考慮されていない物件も多いです。そもそも動線はどの家庭も同じというわけでもありません。生活パターンに合わせて自分たちが動きやすい家とはどのようなものか、家族でアイデアを出し合ってみてもいいですね。
狭くても広く見せるコツ
マンション住まいの人のよくある悩みが、空間が狭いということ。家族が増えるとどうしても手狭に感じてしまうことはあります。十分に個室がいきわたるような物件を選ぶとそのぶんリビングが狭いといった声も聞かれます。リフォームでマンションの専有部分を広げるということは不可能ですが、同じ面積でも広く感じられるようにすることはできます。
狭いと感じる場合は、広く見せられるようなアイデアを生かしてリフォームするといいでしょう。例えば、暗い部屋よりは明るい部屋の方が広く感じます。圧迫感を感じない空間作りには白い壁がおすすめ。また、特に広々とさせたい部屋は日当たりのいい場所に配置するのもポイントです。古いマンションは壁で仕切りがちですが、可動式の壁に変更することで二間続きの空間として使えるようにするというアイデアもおすすめです。
リビングに力を入れよう
狭くても広く感じられるマンションのポイントは、やはりリビングに重点を置くこと。家族が集う場所でもあり、来客があってもゆったりと過ごせるリビングを確保できれば、かなり快適な空間になるはずです。個室が多いマンションの場合、リビングに隣接した個室の壁を撤去してリビングと空間を繋げることもできます。他にも廊下をなくしたりキッチンの配置を変えたりすることも考えられます。
リビングの面積を広げることが難しいのであれば、天井を高く見せることでも広く感じることができます。ダイニングテーブルなどの家具は、あえて低めのものを選ぶといいでしょう。また、壁一面に収納棚を設置し物をスッキリと片付けることで部屋に物が少なくなれば、広々と感じるもの。快適な住まいづくりにはリフォームのアイデアとともに、暮らし方のアイデアも大切なのです。
既存の間取りをガラッと変える
マンションでも間取りを変更することはできます。柱や壁など撤去できない部分を残すことは前提ですが、部屋を区切ったり繋げたりすることで、それまでの間取りとはまったく違う雰囲気の家になるでしょう。
よく行われるリフォームとしては、キッチンの移動があります。古いマンションの場合壁付けタイプのキッチンが多く、家族の様子が見えないというデメリットがありました。特に小さいお子さんのいる家庭では、キッチンでの作業中動きが見えないのが不便との声が多く、対面式にリフォームするケースもよくあります。マンションなので共有部分に影響するようなリフォームはできませんが、古い間取りにこだわらず必要なら間取りの変更も検討してみるといいでしょう。
収納を増やしてスッキリ暮らそう
リビングの壁を使った収納棚を設けるアイデアをご紹介しましたが、限られたスペースを有効に使うにはやはり収納力を上げることは重要です。リビングに限らず、マンション室内にあるデッドスペースを生かして収納を増やすことをおすすめします。
キッチンにパントリーを設けたり、廊下のちょっとしたスペースに小さな収納スペースを作ったりしている事例も多いです。既存の押し入れやクローゼットも、より使いやすいものに変更することも考えるといいでしょう。たっぷり収納があるマンションなら、部屋自体が広くなくても片付きやすいのでスッキリ広々暮らすことができます。
マンションリフォームの注意点
共有スペースは自由に変更できないのが、マンションリフォームの際に気を付けたいことです。でも、定期的にマンションの管理組合がメンテナンスを行いますのでその点は安心できます。自室のリフォームの際には、玄関ドアや窓をリフォームすることはできませんので気を付けましょう。
また、水回りの移動に関しても共有の配水管を使用していますのであまりに移動距離が長くなるリフォームは難しいです。壁付けのキッチンを対面式にするくらいなら可能なケースがほとんどですが、まったく違う場所に移動はできないと考えていた方がいいでしょう。また、内装の素材に関しても、マンションによっては防音などの関係で自由に選べないことがあります。リフォームを検討する際には事前に管理規約を必ず確認し、禁止事項を把握しておきましょう。
ゆるいリフォームで自分たちらしく
リフォームを成功させるポイントとしては、あまり完璧にリフォームしないということを押さえておきましょう。というのも、これから暮らしていく中で家族は成長しライフスタイルも変わっていきます。個室が必要になったり逆に使わなくなったりということも出てくるでしょう。そのような家族の変化に住まいも合わせていくことが大切です。その時々の暮らし方に合った家づくりのアイデアを生かしながら、変えていける家が理想なのです。
一度のリフォームに時間やお金をかけすぎるのではなく、あとからいじれる余裕を残しておく大まかなリフォームの方が、暮らしながら出てきたアイデアによって家を作っていく楽しさも得ることができます。
まとめ
マンションのリフォームでは、リビングに力を入れることや家族のライフスタイルに合わせて変化させていける余裕を残すことをおすすめします。管理規約を確認し、必要であれば間取りの変更や水回りの移動もできる範囲で行いましょう。可動式の壁や収納の設け方など、空間を広く見せるアイデアを生かしながら理想の住まいを手に入れましょう。